リウマチの話
「温泉」は昔から日本人には人気があります。大抵は「効能書き」の看板が立ってて、そこには『肩こり・腰痛・婦人病・胃腸病・・・』と一般的なものに混じって『リウマチ』も多く書かれています(何を根拠に効能を測定したのか疑問ですけどね)。それくらいリウマチで悩んでいる人が多いということですね。
リウマチは難病ですが、治療を根気良くするならば決して「不治の病」ではありません。まずは、貴方自身が真剣に病気と立ち向かおうとする気力と、諦めずに望みを持ち続けることです。(当院のパンフレット
「ファイティング・スピリッツ」
も参照してください)
「リウマチ」の定義とは?
「五十肩じゃないか」とか「きっと坐骨神経痛だよ」等々、患者同士で勝手に病名を決めておられる光景を目にしますが大変に危険なことです。
「それじゃ五十肩の定義って何ですか?」と質問をしても答えられる人がいないんですね。テレビやラジオで病名をやたら連呼するものですから、病気の本質や性格を無視して病名だけが一人歩きをしているからでしょう。その中には、理由もないのに偏見を生んでいる病名もありますので是非とも注意して欲しいのです(どんな病人も立派な人間です、差別を受ける理由など何もありません)。
では「リウマチ」の定義とは・・・。リウマチも数種類あるのですが最も多い多発性関節リウマチとは「長骨の両端に変形を伴った痛みがあり、しかも炎症部位が3ケ所以上あるもの」となっています。痛み方が一定せず、毎日痛む場所が変わる人もいます。また手足の指から発病する人もいます。当然ながら関節は徐々に変形していきます。
リウマチの原因
原因としては未だに不明なのですが、一説には骨を分解する酵素の異常分泌ではないかと言われています。
常に身体は新陳代謝を繰り返していますから骨も新しい細胞に置き換わっていきます。新陳代謝の順序として、まず酵素が出てきて細胞を分解した後に新しい細胞が作られるのですが(これはどの部分でも同じです)、この時に分解だけが余計にたくさん行われてしまうから痛みや変形が起きるのではないかと考えられているのです。遺伝性だとも言われますが確証はありません。
血液のリウマチ反応を検査することもありますが、症状の有無と検査結果が一致しないケースが多いので大した意味は期待できません。
主に女性に発病し発病時期についても個人差が激しく、当然高校生くらいで発病した場合には進行も早くて重傷になりやすいものです。どんな病気についても言えることですが「若いから・体力があるから」と過信をせずに、特に進行性の病気の場合には年齢に関係なく徹底的な治療とアフター・ケアが必要です。
リウマチの治療
どんな病気でも「簡単な病気」というものはありませんが、「治療しやすい病気」はあります。リウマチは残念ながら「難しい病気」ではありますが、鍼灸治療では「治療しにくい病気」では決してありません。
具体的な治療法ですが、西洋医学では薬物療法(消炎剤やホルモン剤)・物理療法(ホットパックやマイクロなどの温熱療法とリハビリなどの運動療法)・手術が主なもので、決定的な方法はなく現状維持を目的とするものばかりです。
鍼灸治療では、痛みが激しい場合にはもちろん鎮痛を目的とする処置を優先しますが、リウマチは身体のバランスの狂いから発生してくる病気だと捉えて全身調整により体質改善して治癒を目指します。
当院の脉診流経絡治療であれば、その時の体調や病状を脉で診察することによって把握し、細かく対処出来ることも特徴の一つであります。
リウマチの将来
一度変形をしてしまった骨や関節を元通りにすることは不可能ですが、とにかく痛みがなければ問題なく普通に生活が送れる病気です。
発病から1年以内の方は完全治癒する確率が高いので頑張ってください。1年以上経っている人は「病気も生活の一つのリズム」と思って進行しないように頑張ってください。辛抱強い継続治療が最も大切だということですね。
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