鼻水の病気です、全身がだるくてたまらないことも

 

後鼻漏(こうびろう)に

ついて説明します

 

 近年は新型インフルエンザ騒ぎなどで日常的にマスクを着用している人が多くなったのですけど、昔は使い捨てマスクなどはなくいわゆる「鼻たれ小僧」があちこちにいたものです。筆者も小さな頃には服の袖で鼻水を拭いていて、よく叱られたものです。

 鼻水というものは前へ出て来るものとばかり思われていますけど、実は後ろへも出ていきます。つまり、喉へ落ちています。この喉へ落ちる量が過剰になると「後鼻漏」という病名となり、就寝時に落ちてきた鼻水で息が詰まってしまい苦しくて目が覚めたり緑色の痰を吐かなければならなかったり、また常に落ちていると気分が悪くなり全身がだるくて仕方ないという困った症状がでてきます。

 

花粉症との違い

 ところで、現代では鼻水については花粉症が一番問題にされています。反応の出ている花粉の時期になると鼻水が止まらなくなるだけでなく、涙も出ずっぱりでくしゃみも伴うなど、本人にとってはとても苦しいものです。でも、ご安心ください。"漢方はり治療"であれば、極めて短時間に回数も少なく症状を抑える方法があります(詳細は別パンフレットで)。

 ところが、鼻水が後ろへ漏れ出るように落ちてくる「後鼻漏」は、他人からは症状が見えないので理解されることがなく、また知識的にも広がっていないということで一人で悩んでおられるケースが多いものです。インターネットを検索すると後鼻漏専門外来を掲げている耳鼻科も多くなっていますが、ほとんど認知されていません。

 

症状は?

 これもインターネットを検索していると、成人では1日に1リットルの鼻汁を自然に飲んでいるとありました。しかし、食事でお茶や牛乳などを飲むのはビールではないのですからどんなに多くても1リットルまでであり、他にコーヒーを飲んだり食べ物から水分を補給しているといっても小便や皮膚呼吸から出る水分を計算すると、他にも涙や胃液など液体成分は多く必要なので鼻汁だけで1リットルはちょっと大げさすぎると思います。しかし、自然に飲んでいる鼻汁があることは確かです。

 鼻の奥は咽頭という部分につながっていて、普段は呼吸での空気を通しています。また風邪をひいた時に鼻水をすすったなら喉へ一度落ちたものを口から吐き出した体験が誰に出もあるように、鼻汁が後ろ側からも落ちるようにはなっています。ただ、鼻汁が過剰になった時は前から出てくるのが普通であり鼻水ということになります。これが何らかの原因で常に後ろ側へ鼻汁が落ち続けること、これが後鼻漏の正体です。

 鼻汁が常に喉へ落ちてくるのですから、就寝していると喉に鼻汁が蓄積して息が詰まってしまいます。そのため朝方に息苦しくて目が覚めてしまうことがありますし、朝一番はもちろん日に何度も緑色の痰を吐くということも発生してきます(これは本当は痰ではなく鼻汁が半固形になったものですね)。それから鼻水を飲んでしまったならその後に気分の悪くなった体験を誰でもお持ちと思いますけど、これが常に発生するのですから体調不良が続いてしまう、これが後鼻漏の最大の症状です。

 

気合いだけでは治らない、後鼻漏

 後鼻漏の最大の症状は体調不良が続くことだと書きましたけど、これが過剰な勤務超過があるとか他の持病があるなど、他人から見て原因が分かるものなら理解も得られるところです。ところが、後鼻漏の場合は他人から全く分からないのですから「そんなの気合いが足らんからや!!」と、体調不良を理解してもらえないことも大きな症状といえます。

 しかし、鼻水が常に落ちてきていることが分かるだけでも気持ち悪いところへ、胃の中に蓄積するのですから気分が悪くなって当然なのです。胃の中へ蓄積するということは食欲不振につながりますし、気力の低下や集中力の欠如など仕事に差し支えることもあります。「気合いが足らんからや!!」といわれても、本人は気合いを入れようとしているのに入らないというのが後鼻漏なのです。

 

治療は?

 西洋医学的には上咽頭炎を併発しているケースが多いとされ、レーザー治療などが試みられていますが決定的な治療法はなさそうです。

 鍼灸治療は鍼やお灸の届かない場所であったとしても、全身バランスを整えることが元々の目的なので、治療が可能です。具体的に何をするかといえば、その時の症状に合わせた経絡と経穴を割り出して手法をします。要するに前へ鼻水が出てくるべきバランスが崩れて後ろから出てしまっているのですから、そのバランスを整えるようにしているわけです。局所のバランスは全身のバランスとしても現れてきますから、肩こりやお腹の力が改善するような組み合わせを確認して治療をすれば、後鼻漏も改善してくるのです。

 花粉症の治療と違うところは即効性を期待できないことです。花粉症の場合には化学反応によって鼻水があふれ出てきているのであり、物理的な変化でないことから即効性があります。後鼻漏の場合には、前述のように物理的変化も伴った病気なのですからその点はある程度仕方ありません。しかし、気合いが入る身体へ戻すには治療が不可欠です。

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