生まれてきてくれて、ありがとう第二章

− 妊娠から出産までの軌跡 自宅出産を経験して(その3)−

寝ている長男を、かわいいかわいい

産後の養生が大切

 漢方ではご婦人の『血の道症』ということで、いわゆる「産後の日立ちが悪い」ことを憂慮し充分に産後は身体を休めるように諭しています。しかし、核家族化の影響で人手が足りないことは理解できるのですけど、あまりに無茶苦茶な光景を見かけますね。
 出産直後から携帯電話で自ら投稿しているブログを見たことがあるのですけど、少なくとも産後一ヶ月はテレビや読書を含めて目を酷使してはいけません。目は肝の主りであり、肝は血を蔵していますから血不足の状態で目を酷使すればさらに血不足となり悪い血が貯留するばかりです。新生児はもちろんですが、血の浄化を妨げないように母親も産後一ヶ月程度は外気に触れない方がよいのです。
 例え話をするならお産とは陸上競技のトラックレースのようなもので、100mのように短期決戦で決着するものもあれば400mや1500mとレース展開するケース、そして10000mと持久戦になるケースなど様々です。大切なことはそのスタートラインに立つまでのトレーニングとウォーミングアップであり、これは妊娠期間中に相当しますね。トップ選手はたった数秒から数分のレースのために何百日・何年と掛けてトレーニングを積み重ねてやっとスタートラインに立つのです。妊娠中のトレーニングとウォーミングアップをおろそかにしては、いいお産はできませんよね。
治療室のベッドで小児鍼  そしてもっと重要なことは、しっかりクーリングダウンを行なっておかねば身体は多大なるダメージを受けてしまうことです。想像してみてください。突然全力疾走をして急に疲れたからと立ち止まりコーヒーでも飲もうものなら、逆に心拍数が落ちませんし時には胸に痛みを感じて心臓への負担がますます大きくなります。クーリングダウンは、無理なく平常の身体へ戻すために極めて重要なのです。産後の急速はクーリングダウンに相当し、これをおろそかにしては平常の身体には戻れないのです。
 二人目になるとどうしても上の子供の面倒を見なければならないのでずっと寝ているわけには行きませんけど、家の中で養生が充分にできればいいのです。そのためには家族の理解と協力が絶対に必要なのです。


お祝いの鯛と長男

再び、産まれたなら既に一人の人間です

 二人目の赤ちゃんということでノウハウがあるつもりでいましたが、これは全くの間違いでした。確かに「慣れ」ということで要領がよくなっている面はありますけど、何人産まれてきたとしても子供は一人一人別人であり、それだけ個性があるのですから「このパターンでOK」などということは絶対にないことを思い知らされました。
 長男は自宅出産でしたからずっと母親のそばにいられたこともありますし、ベビーベッドにはほとんど寝かさず最初は「おくるみ」で暖かくし食事の時には起きていれば必ず父親が片手で抱いていましたから、よほどお腹が空いた時以外は泣きません。少しお腹が空いても抱き上げれば泣き止んでしまいます。長女の時にはお腹が空くと泣き止まないので困りましたし大きな方のトイレも頻繁でしたけど、男の子は小腸が弱いとは聞いていたものの小児鍼をすればすぐ回復しますが何かあると詰まってしまいます。長男は五ヶ月でほとんどハイハイができますし、赤ちゃんがすることは同じようにこなすもののやはり一人一人が違います。
 子供は産まれた時から既に一人の人間であり、その人格を認めて個性を伸ばすようにしてあげたいものです。私たちは「この世界には自分で目標をセットして自らの意志で産まれてきている」と考えていますから、親子の関係ではありますけど「この家に産まれてきたかったからやってきてくれた」のであり、大人が忘れかけていることを思い出させてくれる存在でもありますから子育てをしているというよりも一緒に生きているという感覚でいます。
 世界中の子供たちが幸せになれるように、私たちのできることから努力を惜しまないつもりです。
特製誕生ケーキの写真   お宮参りのお祝いで全員集合



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