やはり「隠れ熱中症」が出てきてしまいました

先週から熱中症の患者さんが来院されているのですけど、割と年齢層が低い上に普段は元気そうな人ばかりなので、なにか共通点がないかを観察していました。
すると、お一人を除いては「まさか自分が熱中症だったなんて」という反応であり、体調が悪いことは自覚しても病気のレベルになっていることを頭で否定されている感じです。直射日光の下で働いているわけではないから・冷房も適宜使っているからと、倦怠感や頭痛があっても単純に猛暑のためだと決めつけておられるのです。
それで一週間前にこの夏初めての熱中症を診断した患者さんが来院されたので脈状を観察させてもらうと、九菽から十二菽の高さですべての部位がまだ渋っていました。ブロークンハート症候群は六菽でしたから、これが下側になってもう少し幅が出ているわけです。
今朝の患者さんは自己申告だと寝違いだったのですけど、その割に現時点では肩甲骨周囲の痛みのほうが強いといいますし、それ以前からも少しずつ痛みがあったというのでこの時点で寝違いとは違います。それよりも九菽から十二菽まですべての部位で渋っているので「一週間以上前から倦怠感が続いていた上に冷房へ入ると手足が冷たくならなかったか」と尋ねると、その通りでした。つまり、隠れ熱中症です。
冷房のない場所では身体がとても暑く、冷房の中だと手足が冷たくなってしまい、倦怠感や頭痛や胃腸を壊しているなどが重なったなら、それは隠れ熱中症です。陽気が暴走してしまっている状態で、四大病型はケースバイケースなので特定できませんけど、治療は陽気の暴走を止めるために瀉法が一番効果的でしょう。瀉血は、かなり手っ取り早い方法になりますけど、広くは扱えませんから…。