思い切りが診察力の差に

本日は脊柱に亀裂骨折を抱えた新患さんが多かったのですが、午前の最後の方は奥様が診察の様子を見せてほしいという要望。本当は治療全般の見学をということですが、診察の途中までしか見せないです、これを認めると見学者だらけになってしまい、臨床が成り立たなくなりますから。
 主訴はぎっくり腰ということですが、脈診だけで骨折がわかりますし寸香のほうが分厚くなっているので腰よりも背中の方に問題ありもすぐ見抜けたので、側臥位で触診すると胸椎に疲労骨折がすぐ見つかりました。
 理屈っぽいタイプなので本体はこちらだと説明しても最初納得されませんでしたが、打診で指摘した箇所に響きがあることから説明を受け入れるしかありません。ここまでを奥様にも見学させていたのですが、診察のスピードと的確さに、「鳩が豆鉄砲を食らった」という表情で、目の焦点が合わないまま待合室へ引き上げていかれました。
 診察・診断というのは情報の取捨選択であり、どれだけ思い切り良く必要な情報だけに絞り込むかなのです。逆に書けば不要な情報を切り捨てる思い切りが、診察力の差になります。診察力の差は、当然治療力の差となって現れます。