shimple is bestだと私は思うのですが

 「虚実だ」「補瀉だ」とここ近年の漢方鍼医会は経絡治療の世界へ戻ったような議論が繰り返されているのですけど、いったいどうしてそのような話へ戻ってしまったのか不思議でなりません。
 脈診で虚実を判別していこうとするのに観念が強すぎて、そこで誰も見向きもしていなかった菽法脈診というものを実践してみたならこれが証決定を真反対の方向へ向かわせるくらいに驚いたのであり、劇的に鍼数も減らせて治療成績は上がるというところから漢方鍼医会はスタートしたという印象です。
 その後にていしん治療が主流となり本治法の鍼数はさらに減少してほとんどが一本というところまではよかったのですけど、その一本を導き出すために虚実とか補瀉とか先祖返りをしているのが不思議なのです。
 衛気と営気の手法、たった二つで気も経脈も調整できると難経に書かれているのですから、simple is bestだと私は思うのですがねぇ。

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