小児鍼の話=子供の鍼治療

子供は元気になぁれ!

 天使のような笑顔で家族だけでなく社会の元気の源となる子供たち。しかし、子供も風邪をひいたりお腹を壊したり皮膚病など目に見える病気だけでなく、夜泣きなど理由がハッキリ分からないのに泣き叫ばれると元気の源も疲れの震源地となってしまいます。

 昔なら様々な知恵を持っているお年寄りと一緒に住んでいたのでアドバイスがもらえたのですけど、核家族生活ではテレビなどマスコミが唯一の情報源となりコマーシャルで流れてくる市販薬にすがっているのではありませんか?それではあまりに子供たちが可哀想です。大人に原因があって不調を起こしているケースもあるのですから、まずは子供の治療について勉強してみてください。

 

疳の虫(かんのむし)とは?

 子供が夜泣きを含めて金属音で泣き叫んだり乱暴な行動をするなどを「疳の虫がでている」と表現していますが、子供の病気は全て「疳の虫」です。

 風邪やアトピー性皮膚炎など大人の目でハッキリ分かるものは「疳の虫」には含めないように捉えがちですが、例えばぎっくり腰や腰椎椎間板ヘルニアなど本当は原因も治療法も違うのに現象には大差がないということで「腰痛」とまとめて呼んでいることと同じであり、子供の体調が悪いものは全て「疳の虫」と表現して構いません。

 つまり、泣き叫んだり乱暴になるということは身体がしんどいということであり、言葉で表現できないものですからこのような身体行動で子供たちは表現をしているのです。子供だって、しんどいのです。

 

ストレス?それとも病気?

 一口に「しんどい」と表現しても、ストレスのこともあれば病気のこともあります。大人がそうであるように、心と身体とから人間は成り立っているのですからどちらの原因もあり得ますし、両方が原因になっていることもあります。

 では、充分に言葉の喋れない子供からストレスなのか病気なのかを見抜く方法です。ポイントは視線です。ストレスが強い時には鋭い視線となり、どこかを凝視しているはずです。大人だったならストレスが強くなると何かをにらみつけているのと同じことで、飽きっぽいのが正常の子供なのに一点を凝視している姿を見かけたならこれは相当なストレス状態だということです。

 これに対して病気の時には視線が散乱しています。大人なら高熱になると白目をむいて焦点が定まらなくなるのと同じことで、キョロキョロしているというよりも何を見ているのかがハッキリしていない状況です。

 世界で一番可愛い我が子のことですから、視線が鋭いとか散乱しているかを見極めるのは難しいかも知れませんし混在していればもっと見分けにくいのですけど、かなり確実な方法なので誰かと協力しながら観察してください。

 

子供の鍼治療は、痛くありませんか?

 もし心配であるならホームページから小児鍼の治療風景がビデオでご覧になれますからアクセスして頂きたいのですけど、小児鍼は決して子供の身体へ鍼を打ち込むなどということはしません。

 当院では大人の治療でも瑚I(ていしん)という元々刺さらない鍼を用いているので、どの患者さんへも「打ち込む」ような鍼はしていないのですけど、子供の場合にはさらに鍼を指の間に挟んでチョンチョンチョンと雀がくちばしで突くような軽やかなリズムで刺激を行うだけです。子供は元気の固まりなのですから、うまく流れなくなっている元気を流してやるようにさえすればいいわけです。大人も原理的には同じなのですが、厳密にツボへ鍼を当てなければならないのでリズムに乗って踊りながら鍼をするというのはさすがに無理なんですけどね。

 ですから治療に痛みは伴わずくすぐったいだけなので、子供はみんな小児鍼が大好きになります。最初は泣き叫んでいたような子供ほど、慣れてしまえば自分一人でベッドへ飛び乗ってくるようになるものです。

 

でも、夜尿症の治療は無理です

 子供の治療でもう一つよく質問を受けるのが「おねしょ」です。でも、残念ながら夜尿症の治療はお断りしています。

 物理的な原因で夜尿症が止まらないのは1%未満であり、ほとんど全てが本人にその気がないためにそのままになっているだけなのです。ですから「小学校六年生の二学期になっても治っていなかったなら診察しますよ」ということで何人かへ背中のお灸をしたことがあるのですが、結局はお灸の熱さが嫌でその時は止まるのですけど喉もと過ぎれば何とやらで治療から遠ざかってしまうと小便小僧の復活でした。結局は修学旅行に行きたいとかスポーツで鍛えられたなど、にらんでいたとおり精神面が問題でした。夜尿症に限らずですが、当院では治療で身体をコントロールするよりも、人間的な成長を重視しています。

 

 子供には早く元気になってもらって、天使の笑顔を振りまいて周囲も明るくして欲しいですね。

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