レドックス理論とは?

  1989年より始まり特に1990年の京都大学医学部第2外科による大変な好成績を上げている生態肝移植を支えている理論のこと。

 

  生態のエネルギー生産に関して細胞中のミトコンドリアの働きに注目し、その血中ケトン対比を測定することによって移植に限らずあらゆる手術や治療に功績を収めている。

  肝臓に関して具体的に言えば、普通の成人病検査ではGPT・GOTなどの値が示されているが、これは「いくら機能が破壊されているか」を表したもので、決して余力・再生力を表している訳ではない。これに対して血中ケトン対比の示す値はミトコンドリアの存在・活動をしている値であり、余力・再生力を表しているものと言える。つまり、機能がかなり破壊されていても再生力があれば治るということもあるし、反対に破壊はされてなくとも余力がなければ治らないということも有り得るから、「現在の検査で示される項目は適切でない」と既に指摘されている。

 

      具体的に手術法について・・・

  まず生態肝移植は両親に限られる(時代とともにドナーの適応範囲は広がりつつある)。言うまでもなく遺伝の関係であるが、さらにDNAカップリングテストを行うことによって拒絶反応を極力防止できる(脳死からの移植では十分な時間が取れないので、これは生態間の移植の利点である)。ドナーが決定すれば立体映像によって切除プランを立てる。もちろん機能が正常であることは確認する。

  手術はドナーとレシピエントとバックテーブルが用意され、同時に始められる。プランに従って肝臓の一部をドナーから切除し素早くバックテーブルに移しUWによって4℃に冷やされ、必要な形成をして時間待ちをする。レシピエントは肝臓を取り出され必要な形成を受ける。この時、バイオポンプによって血流は保証しておく。移植する肝臓が乗せられたら、まず下大静脈をつなぐ。続いて門脈をつなぐのだが、「門脈の動脈化」というテクニックを使って(要するに動脈から門脈に分号を作ればいい)4℃に冷やされた肝臓が死なないように素早く血液を流してやるとその後の処置に余裕が持てる。

  この際、手術中も血中ケトン対比を測定しながら進めると、其の場で不都合か否かの判定が出来、「つないだけど駄目だった」とかの失敗がなくなる。

 

  このレドックス理論を応用すれば(勿論バイオポンプなどの科学技術のバックアップあって初めて可能になる手術ばかりだが)、血中ケトン対比の観測をすることによって手術の許される時間などが割り出せ必要な薬も割り出せる。例えば肝臓岩でも一旦半分を外に出して癌部分を切り取ってから元に戻す自家移植的なことも可能になる。

  しかし、発案者の小沢和恵教授も「本来の姿は移植をするのではなくて肝臓自身を再生差せることにある。移植はその過程で発生したもの」と語っている。

 

  ホリスティック医学の立場から見ると、確かに今までは治療不可能であった肝臓病に対して光明を投げかけているかのように見えるが、真実はどうなのか?「死」とは決して敗北ではないはずなんだから、そこまでする必要があるのだろうかと考える。

  ミトコンドリアに着目するところはいいのだが、やっぱり外から加えられるのは「治る為の条件付け」でしかないと思う。いくら手術をやったところで患者の体力が続かなければそれまでなんだし、治そうという「気」がなければそれまでじゃないのかなぁ。それよりも大事なことは、ミトコンドリアを人工製造できないから移植をしている前提と、手術中も「自然治癒力」が働くからメスを入れられた個所がすぐ復帰しようとする力で成り立っているということだと思う。

  交通事故や様々な障害の発生する今日、どうして問題医学のようなアプローチも必要だとは思うけど、まだ安易ではあるが【人体の修理までは必要だが、改造はいけない】という線引きをしたい。

 

 




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