ストレッチ体操をしよう(付録1)
一人でできるかも知れない骨盤矯正法
「腰がズレる」とか「骨盤がズレる」といいますが、解剖学的には仙腸関節の異常を刺しています。仙腸関節は間接とはいいながらも骨化しているので可動製に乏しく、何らかの外力によって可動範囲を超えてしまった時に自力回復できなくなったことを指して表現しています。
「おいおい、そんな表現ではわからんがな」といわれそうですね。症状については
パンフレットのダウンロード
から入手できる「腰痛の話」に譲るとして、自分一人でも回復できるかも知れない骨盤矯正法を取り上げてみました。
まず
ストレッチ体操の正しい知識
をもう一度よく読まれて、
ストレッチの具体的紹介
から充分に身体を和らげてください。いきなり写真の矯正法を試みても危険なだけで、何も効果はありません。
「今はもうこれ以上身体が柔らかくならないぞ」というくらいにストレッチができたなら、まず長座をし片足を直角程度に曲げて伸ばしている足の上に重ね水平に倒します。曲げている足の膝を同じ側の手でさらに床に押しつけるように押さえます。この時に反対側の手は床を突っ張ることで上半身を支えているのですが、角度を調整することによって骨盤矯正の強度を変化させることができます。それぞれで工夫してみてください。
現役スポーツ選手であるなら、膝を押さえることを仲間に頼むとより効果的です。両手で上半身を支えられるため骨盤がより安定し、他人の力で押さえられますからかなりの矯正力となります。また寝た状態で矯正を受けても構いません。
素人のできる矯正法は、基本的にはここまでです。安全性を充分に確かめた上で行われるなら、一時的ではありますが腰痛やそれに付随する症状の緩和につながります。しかし、ストレッチ部分を勝手に飛ばしてから行ったり「本に書いてあったから」と見よう見まねで他人に矯正法もどきを施しても、当然ながら本ページでは責任を負いません。
それでも「どうしてもこの腰痛が何とかなるなら」という緊急事態がありますよね。実は管理人も一日野球の練習後に食事に出て、不自然な姿勢で座らざるを得なかった時に突然激しい腰痛が発生してきて「これは骨盤がズレた」と感じたことがあります(途中から食事は美味しくなかったですね)。帰宅後に自分で鍼灸治療をして、次のような矯正法を行いました。
ちょっと恥ずかしい姿勢ですけど、赤ちゃんがこのようなことをやっているので思い浮かべてください。まず仰向けに寝て、両足の裏と裏をくっつけます。膝を立ててから床にたたきつけるように勢いよく股関節を開き、また膝を立ててはたたきつけるような動作を繰り返します。一連の動作では足の裏を離さないようにしてください。連続写真にすると、次のようになりますね。やってみてください。
仙腸関節というものはお腹には骨がないので、上半身と下半身をつないでいる唯一の部分となります。つまり「関節」には間違いないのですけど、首や肘のように頻繁に動いてもらっては上半身がひっくり返ってしまうので固定されていなければ困るのです。
けれど、完全に固定された状態だと強い衝撃(骨の強度を越える衝撃)が加わると、これは骨折してしまいます。そのようでは骨折が多発して困ります。これを防ぐために関節に「遊び」の余地があり、これによって骨折を防いでいるのです。自動車を運転するのにハンドルの「遊び」がないと、危険そのものになるのと同じ原理です。
だから仙腸関節は
ズレてくれないと困る
のです。ズレるような構造に元々なっていると書いてもいいでしょう。ズレるようになっているのですから自己修復もされるようになっていて、「半日程度腰が痛かったので心配したけど自然に回復した」などというのは自力で骨盤の状態が回復したものでしょう。ところが、自力では回復のできない状態もかなりあるもので、このような場合には治療を受ける必要がどうしてもあります。腰痛に限らず一週間経過しても何も自然回復しないものは、もう自力での回復はあり得ませんので速やかに専門家を受診されてください。
余計なことを一言だけ書いておくと、「バキッ」「ベキッ」なんて派手な音を出しながらの治療はやってもらったという感覚はありますけど、中学の理科で習ったように加えた力は同じ力の反作用として反発してきます。そうです、派手なだけで効果としては大いに疑問符ありなのです。
当院では鍼灸によって緩めてから押したり引っ張ったりなどの矯正としているので、やってもらったという感覚には乏しいですがリスクも低いです。
付録2 腰痛時の腹筋・背筋運動へ
寝たままでできる肩こりのストレッチへ
『にき鍼灸院』のトップページへ戻る