第15回漢方鍼医会夏期学術研修会滋賀大会の報告(その3)

雄大な琵琶湖に沈む美しい夕日の写真


 上の写真はプラン説明と下見に初めてホテルへ足を運んだ時に、一番湖岸道路に近い場所に立って雄大な琵琶湖に沈む夕日を撮影したものです。決して大会が終わったのでほっとして、人生の黄昏を表現しようとしたものではありません。その証拠に 家族の目線から、夏期学術研修会裏話 に掲載してあるガーデンプールの写真は、ほとんど同じ場所からプール側を向いたものか琵琶湖側を向いたかの違いです。「この夕日が来年の今頃は美しく眺められるように」と、ホテルの圧倒的な素晴らしさには感動しつつも運営の大変さに押しつぶされないようにと撮影したものです。

 それでは、学術大会の中心の中心です。滋賀大会はどのような基本理念がありどのように学術が構築されていったのか、基調講義を初めとしてテーマごとに内容をまとめました。一部の資料については 講義録のワードファイルページ から、マイクロソフトワード形式での閲覧やダウンロードも可能です。


基調講義『証決定への手順』 2008年8月24日
 実行委員長として、基調講義を担当させて頂きました。原始時代にまずツボが発見されてから経絡の存在を知ることとなり、経絡を効率的に運用するために考案された道具が鍼灸であるという確認。そして鍼灸術を施すために証決定をするわけですが、初心者は初心者なりに熟達者は熟達者の領域で各自の手順を認識しておくことが要点ではないかと話させて頂きました。

第15回夏期学術研修会を無事に終えられて 2008年9月1日
 メルマガ「月刊漢方鍼医」へ、終了直後に投稿した感想です。文字数がやや多くなってしまったので、幻のフルバージョンです。上記の基調講義が自分なりにどのような手応えであったかなども、書き添えてあります。

夏期研実技編(その1) 研修マニュアルの誕生まで 2008年9月20日
 開催へこぎ着けるには、一年前の第14回大会から副実行委員長として参画をしていました。その時に詳細な指導マニュアルは執筆したのですけど批判も相当に受けて、それらが布石となり「証決定への手順」へとつながってきました。

夏期研実技編(その2) 菽法の高さから脉診の基準を整える 2008年9月29日
 「脉診三十年」などと陰口を耳にしますが、これは指導方法もそうですが脉診に対する基準線というものがないために修得を困難にさせていると思われます。しかし、難経には菽法というものがちゃんと提示されており、まず菽法の高さから脉診の基準を整えることは可能だと実践しています。
夏期研実技編(その3) 実践的手法修練が採用されるまで 2008年10月10日
 お医者さんにも診察・診断能力に加えて手術の「腕」というものがありますけど、外科的な素質に薄い先生は内科などへ住み分けることができます。しかし、鍼灸師には診察・診断能力以外に「腕」が不可欠です。世間一般で鍼灸というものが信用されない要因の一つは「腕」の不確かさだと考えるのですけど、自画自賛にはなりますが画期的な客観的修練法を開発しました。鍼灸師は、必読です!!

夏期研実技編(その4) 手を回しながらの腹診で病理産物の把握を 2008年10月25日  第15回でも積み残したことが、やはりあります。それは病理産物を客観的に把握する触診法の完成であり、把握できた病理産物と病理をどのようにつなげるかということでした。「導入へ向けて研究は取り組んだんだけど」という報告ですが、必ずや今後に役立つと信じています。

夏期研実技編(その5、最終回) 軽擦と「証決定への手順」 2008年11月7日
 病理考察に基づいた証決定を行うことが漢方鍼医会の最大の特徴であり目的なのですが、病理考察はあくまでも仮説であり治療が成功して実証されてこそ初めて正当化されるものです。病理考察が正しいものかどうかを確認するために、軽擦をまず行うことが実技では重要であり「証決定への手順」を確立するためにも不可欠な手段です。

その世界のイチローに誰でも近づける 2009年9月17日
 基調講義の中でエピソードとして取り上げたイチロー選手のことについて、「努力」と「プレイングマネージャーを意識して使い分けることの続きを執筆しました。ゲームとは違う人生であり鍼灸治療なのですから、プレイングマネージャーとしての意識が大切です。


ほんの少しフォトギャラリー

入門部での脉診修練   研修部で左右から脉診している   腹部を用いての手法修練の場面


 左の写真は、入門部で互いに向き合って脉診の修練をしている場面です。まずは基本的な指の当て方から五臓の配当へと進み、菽法の重さの決め方などを修練しています。中央の写真は研修部でモデル患者を左右から脉診しています。両手同時に脉診することもあれば片手ずつ脉診することもあり、それぞれの「証決定への手順」をたどって治療へとつながります。そして右の写真が、画期的ではないかと自画自賛している腹部を用いての手法修練の場面です。鍼灸師の「腕」の不確かさは、この修練法から変わっていきます。

前座で「世界のナベアツ」   ひこにゃん音頭を踊っている   金屏風の前で滋賀漢方集合写真


 やっぱり懇親会での写真も掲載しちゃいましょう。左は当時流行っていた「世界のナベアツ」のものまねで、3の時にだけアホになるのではなく経穴名に拗音が含まれていたならアホになるというギャグで前座をやっている場面です。そして中央がゆるキャラブームの火付け役であり最も人気のある、彦根のひこにゃんから「ひこにゃん音頭」をみんなで踊っている場面です。副院長だけでなく、子どもたちも参加しています。右は懇親会も終了し、滋賀漢方鍼医会会員での集合写真です。ひこにゃんも特別参加。


 第15回滋賀大会は終わりましたが、終わる前から分かっていたことですけどこれは一つのステップに過ぎません。私がいつもやる手法なのではありますが、大きなイベントのあとに虚脱感でふぬけにならないように次の計画に突入してしまいます。慰労会を何度もやろうということで楽しい計画をいくつも並行して企画していましたし、幻にはなりましたけど冬季学術研修会の構想もしてみました。プレイングマネージャーとしての私なりの姿であります。

 今後とも、ご支援・ご教授をよろしくお願いいたします。


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