ゾーン処置の威力、でも一体あれは何だったのだろう

 午前中は大きなトラブルがまた発生していたのですけど、結果的には西洋医学のお世話にならず鍼灸治療のみで回復をしています。
 私の携帯電話が鳴るので折り返し電話をすると、以前にすんでいた賃貸マンションで仲良くなった家族の女の子です。「ママに早く帰ってきてもらって、お腹がものすごく痛い」というので、ママは携帯電話を置きっぱなしで外出しているようですから、急いでうちの副院長に電話をして様子を見に行ってもらいました。
 しばらくするとおんぶをされて治療室へ運ばれてきたのですけど、悶絶していて痛いと繰り返しています。あまりの苦しみにマックバーネーを確認すると反応がありそうですし、この苦しみ方だと回復したとしても病院も受診してもらった方が絶対に無難です。
 とりあえず自動車を持ってきてもらっている間に小児鍼をするのですけど、闌尾も用いるのですがあまり効果がありません。なんとか立て膝で痛みが耐えられる程度にはできたのですが、あっちもこっちも病院は冷たい対応ばかりで電話を繰り返している間に、「子供でもゾーン処置は有効なはず」と仰臥位のままでできる範囲を行ってみると、あれよあれよという間に腹痛が軽くなっていきました。
 再びおんぶをされたときには痛みはまだあるものの、普通に会話できる程度となり、病院へ到着した頃にはすっかり回復していたとか。診察を受けてもよくわからないということで、本人はぴんぴんしてしまいそのまま帰宅してきたということでした。
 ゾーン処置がここまで威力を発揮するものとは思ってもいませんでしたが、あれはいったい何だったのだろう?
追記
 その後ですけど、午後はすっかり元気であり夕食はうちの次男がお邪魔をしていて一緒にカレーライスを元気に食べたということです。病院で薬は出されたそうですけど飲む気にもならないということであり、これは当然です。
 普段から便秘気味ということではありましたが、本人が「いつもの腹痛とは違う」と証言していたように尋常ならぬ痛み方であり、副院長に夜に確認しても「悶絶している」という状態で、もしすぐ痛みが治まっていても病院の受診は勧めていたことでしょう。
 結局のところ劇症だった腹痛の正体はわからずじまいですが、初めて「これは緊急手術が必要だ」と見破った急性虫垂炎の女児には「これが滑脈なのか」という脉状が現れていたのであり、それが見当たらないので「手術は微妙かも」とその場で診断はしていました。脉診の正しさですね。
 けれど痛みに苦しむ様子が尋常ではないので、その他の患者さんも心配してくれており処置そのものは間違いでなかったと思います。明らかな滑脈が表れているときの恐怖、このときに植え付けられています。痛みがあり滑脈の時ほど、重傷です。

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