手法のやり方、新しいテキストへ向けて公開しました

 昨日は非公式活動ながら、治療室例会を「にき鍼灸院」で三年ぶりに開催。やはり電動ベッドが使える環境は違います。
 まず基本刺鍼を午前中は徹底的に行います。それも今回初公開というかやっと公開できたというか、経絡大でものすごい衝撃を受けた呼吸と連動させた補瀉法です。
 ステップ1は、まず鼻から大きく息を吸い込み一瞬停止させてから、口からゆっくり息を吐きながら手法を行っていくこと。ポイントはゆっくり息を吐くことであり、呼吸そのものを大きくすることではありません。このポイントを独学で見つけられるまで30年もかかってしまいました。
 ステップ2は、鍼が皮膚へ接触をしたなら頭の中で「1・2・3・4…」と数字を数えること。狙いは2つあり、一つ目はやたら手法時間が長くならないようにするためです。どうしても術者の手応えに偏りがちですが、手応えがあってから抜鍼していたのでは遅すぎるのを防ぎます。
 衛気の補法だと3程度、営気の補法だと4程度が目安でしょう。初心者は抜鍼することばかり考えてしまいますし、形ができると手応えに執着しますから、時間の縛りはあって構わないと考えています。もし足りなければもう一度補えばいいのですけど、手法が長すぎるとその経穴がその治療中で使えなくなってしまいます。俗に言う「ツボが気絶する」ことになるよりも、何度か再挑戦てきたほうがいいでしょう。
 そして頭で数字を数えていると、それ以外の考えが浮かんでこないようにできます。人間は「天邪鬼」ですからすぐ余計なことを考えてしまうものであり、阻止することもできません。それなら頭の中を先にいっぱいにしてしまえばいいのです。今までも手法時間の修練に数字を数えるのは導入していたことですけど、これを自分自身で毎回やってみればと発想を転換したのです。