温灸器による裏内庭の施術

 温灸器を導入してから二ヶ月、ドーゼについても段々とわかってきたところで残っていた疑問が一つ、透熱灸の完全な置き換えにはならないものの裏内庭のお灸としては代用ができるのか?です。
 昨日の最後に来院された患者さん、昨年から一ヶ月に一度程度強い腹痛が発生しており病院での検査も受けてはいるのですが異常がなく、時にはとりあえずに時には最後の手段として鍼灸治療をと来院されています。昨年の春に明らかな食中毒があり、そのときに一発で回復したので、信頼は抜群です。
 昨年末に一度腹痛を訴えられてはいたのですが、このときはゾーン処置だけで十分だと判断し温灸器を用いずに一ヶ月間大丈夫でした。
 しかし、昨夜は朝からの腹痛に加えて嘔吐と下痢をまだ繰り返しておりひどい数脈です。腹部にも力がありませんから食中毒だと判断して温灸器を足底へ当ててみると、全く暑さを感じないといいます。何度当てても暑くないというので試しに腕へ当ててみると、これは暑さを感じるとのことなので裏内庭のお灸が成立すると確信して施術を続けました。
 普段は当て布を二枚にしているのですが一枚だけにして、1秒から2秒で離すようにして繰り返すと、そのうちに暑さを感じることが出てきました。三度連続で暑さを感じたところで反対側の足へ移り、同じように繰り返しました。
 結果は全身が温かくなり、腹痛も消失しました。温灸器でも、裏内庭のお灸の代用ができたということです。

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