今回の発表のまとめ部分

このエントリーは長文になっていますが、今朝に最終を書き上げた日曜日の発表原稿の最終部分です。こんな風に日々の勉強をしています。
私が入門させてもらった当時と最近を比べて一番感じることは、自己治療を通して臨床力を磨こうとする人が少なくなってしまったことです。研修会の実技中に教えてもらったことをすぐ試すのはいいのですが、いきなり班員の身体へ行ってしまうというものはどうなんだろうと思います。まずは自分の身体へ今教えてもらったことをやってみて、その上でしっかりコピーができているのかを班員に試させてもらってお互いチェックするというのならいいのですけど、いきなり他人へ行うというのでは治療室でも同じことをされているでしょうし、それではなかなか技術力の工場にはつながらないと思います。今回の発表も治療室で自分の身体でまず何度も何度も試してから臨床の中へ組み込んできたものであり、時々苦し紛れから全く新しいものを発見することはありますけど基本は日々の積み重ねです。新型コロナのワクチンは素晴らしきハイテクの医療ですが、試験管の実験が突破できたなら次はいきなり生体実験をさせてもらうしかありません。鍼灸は自分の身体へ行えるという素晴らしきローテクの医療なのですから、ローテクのほうが日常生活での守備範囲がずっとずっと広くハイテクの医療に決して劣らない価値あるものという自信を持って、次の時代を目指していきましょう。