押し流す奇経操作1

以前のエントリーで妊婦さんへ任脈の操作をしたときに、一度きりの比較なので考察すること自体に無理があるのですけど、あえて考えれば流注上で奇経を操作するのは正経から溢れてきていたものが蓄積しておりそれを押し流すことで治療の助けになる、八会穴からだと奇経全体へアプローチができているというところでしょうか、ということを書いています。
正経から溢れてきているものを奇経は受け止めてもいるのですが、溢れてきているものなのでこれは当然不要ではないものの質の良くないものでしょう。奇経に沈殿することではっきりした病症にはなっていないが、スッキリした状態にもならないものというところでしょう。そして急激に奇経へ流れ込んできて、激しい病症をなんとか食い止めているということもあるでしょう。
三ヶ月前に出産をした新米お母さん、三時間ごとの授乳のあとに残りがないようにタオルで温めて絞るのですが右だけ乳根に硬結ができ痛みにもなってしまいます。これは任脈全体を回すというよりも詰まっている・沈殿しているものを流すほうが効果的ではないかと、列缺と下顎のどちらもやってみたところ、下顎からの操作だとリアルタイムで硬結がなくなっていきました。列缺からは少し緩むものの、話してしまうと元通りでした。
まだ二例目なのですが、理論の骨格としては概ね間違っていない手応えです。