「証決定」問題から、今は手の重さへ

伝統鍼灸学会の50周年記念誌の点訳作業で、まずは「証問題」から取り掛かっているのですけど、私からすれば非常に有名で個性的な先輩の大先生たちが真剣に議論されているのには頭が下がります。
けれど30年前のことであり、状況はその後にまたまた大きく変化しています。現代は学生に魅力ある伝統鍼灸術として刺鍼をしない治療法を積極的に紹介する方向であると見えます。
この点で20年前には自発的に気づいていたていしん治療、今やオリジナルデザインが増えただけでなく子午治療や奇形治療もできるようになって、菽法脈診と合わせると証決定は非常に楽になっています。
問題は「手を作る」ことであり、毫鍼を用いる以上にていしんは軽い手でなければならないのですがそれを理解している臨床家が少ないことが問題です。いつだったか大阪から敵情視察に来られたとき、手の重さに驚いてしまいましたからねぇ。