一本一本の積み重ね

 今月の滋賀漢方鍼医会例会後に七十五難でも小腸経まで手を出したなら逆に崩れてしまうケースがあることを認識したわけですけど、発想のきっかけは伝統鍼灸学会で「素問・霊枢の脉診では現代では役に立たない」という発言でした。
 では素問・霊枢時代の脉診では何を診察していたかといえば、浮沈・遅数に基本的な脉状が加わった程度だろうということでした。
 ならば一本一本の鍼の手法は浮沈・遅数が整うことを基準にすればいいわけで、それを臨床追試していたなら最後は菽法にバッチリ収まるというのか勝手に収まってくれるというのか、「菽法に収まるような手法をしてやろう」と狙っていたこと自体が既に「やりすぎ」だったと気付かされました。おもしろいくらいに菽法に収まってくれています。

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