気逆に触れました

 実技に特化したテキストを自ら執筆中なのですけど、腹診の項目で五臓それぞれに現れてくる病理産物を書き出していて肺には気逆というものがあるとは書いたものの、まさかこんなすぐ実際に触れるとはです。
 まずは症状も聞かずに脈診をして不問診から私は入るのですけど、気が逆上しているのがわかり驚いてしまいます。「怒髪天を衝く」ほど怒り心頭なら現れてくるだろうに近い脈状です。問診すると妊娠準備のために女性ホルモンが投与されているようで、年齢を考慮してそれがかなりの量になっていることがわかります。
 そして肺の部で気逆が触れます。もう少しこの気逆が強くなれば、頭痛や激しいめまいになりそうな感じです。でも、治療は病理が崩壊しているということで季節に合わせての瀉法であり、心経の少府を用いました。季節の治療が該当するとき、毎回その脈状変化の大きさに我ながら驚いてしまいます。