何も考えずに脈に触れるのは、やっぱり難しい

 実技に特化したテキストを自ら執筆していて、苦戦がわかっていた脈診のセクションが不問診のみになってとても嬉しいです。もうすぐ脳みその負担が減ってくれます。
 ところで「押し流す奇経治療」や「腹診」を先に執筆していて、その頃はどうしてもそのセクションのことで頭が一廃になるのであり、病理産物のことをもう一度真剣に取り組んで大きな成果があった反面、ここ数ヶ月は不問診の精度がはっきり言って落ちていました。
 不問診から入ろうとすると何も考えずに脈へ触れるということからなのですけど、「この患者さんにはどんな奇経が適応できるかな」「病理産物の触れ方がどうなっているかな」と頭が先に結果を考えていたからです。最近になってまた何も考えずに脈に触れられるようになり、一時期はすぐ判断できていなかった腰椎ヘルニアを見抜けたりであり、不問診が私の鍼灸師としての一番の取り組みなんです。