標治法へ衛気の瀉法を試してみて

 ラムゼ・ハント症候群は細菌感染から発生してくる顔面麻痺のことで、表面的には神経麻痺のベル麻痺と区別できないものの、遥かに重症です。鑑別は、発症の二週間くらい前に耳の痛みがなかったかを尋ねることです。
 ベル麻痺は痛くなく刺鍼できれば、誰でも治せてしまうくらい、鍼との相性が非常に良い病気です。しかし、ハント症候群は発症から一ヶ月以上経過しているものを安請け合いしないようにと、厳しく初学者の頃に指導を受けた、刺鍼するだけでは治せない病気です。「経絡治療でないと治せない」とも、断言されていました。
 それでハント症候群は二年に一例ずつくらいの割合のはずが、現在複数の来院されている珍しい状態に。しかも、そのほとんどが後遺症の痙攣がなんとかならないかとの相談です。結構難しいのですが、軽くはできます。
 今まで顔面には邪専用ていしんのタッピングをしてきたのですが、大きく痙攣する患者さんへ衛気の瀉法を行ってみたところ、手応えが。それで昼休みに自分の顔面へ衛気の瀉法を試すと、即刺徐抜の意味がよくわかります。効果も邪を払うこととは、明らかに違います。でも、練習をやりすぎて、午後は後頸部に汗が流れ続けていました。