実は緑内障発作でした、番外編

体調不良のときには患者さんへ気づかれないよう注意しながら他の方法でリカバリしているのですが、診察時に集中力が欠如して脈診か腹診のみで証決定しがちになります。三点セットを強調している滋賀漢方鍼医会ながら、三点を確認する体力がないのです。
 特に緑内障発作のときにはきつく、脈診だけでも集中しきれないこともあり、不問診ができないというのは本当に不便。学生時代は無我夢中だったと言いながら、どうやって治療をしていたのだろう?
 
 それで午前中の若い女性、腸骨稜の疲労骨折は激痛だったものが治癒して本日で終了予定だったのに、右の踵が昨日から激痛だといいます。以前から時々踵の痛みはあったということですが、こんな激痛は初めてだといいます。骨折の脈状は出ていませんし、打診しても響きもないのでやはり違うようです。
 瀉法鍼を行ってわずかに痛みは軽くなったものの、様子を見てもらうという仕上がりには遠く困りながら座位で脈を確認しようとしたなら、アキレス腱に手が触れました。明らかに腫れており、もう少し触るとアキレス腱も激痛です。こちらが痛みの本体だったのです。押し流す奇経治療で陽脈と陰維脈の組み合わせを行い、臀部も押し流すと痛みはほんの少しだけに。
 患者の訴えだけでなく周囲や考えられる原因を無意識に触診に加えられるのに、集中力が落ちていてのミスでした。「いつものことができていないぞ」と、体調不良がいいわけにならないことに気付かされました。この事件で一気に気合が入り直しとなり、プールも必死でトレーニングしようと方向転換させたのです。