先日の伝統鍼灸学会のシンポジウム前に、打ち合わせの控室で脈診についての話をしていました。漢方鍼医会以外は脈差診がほとんどであり、当然ながら経絡の虚実判定の最後の一手は脈診で決めています。
私も東洋はり医学会でお世話になっていた時代はそれしか知らないので運用していましたが、次第に「個レは脈の凸凹調整であって、経絡を積極的に動かしているので何秒も回復してもらえているが果たして経絡治療なのだろうか?」という疑問を持っていた頃、菽法脈診を臨床活用しようという動きが出てきて漢方鍼医会へ参加したのでした。つまり、祖脉として虚実は判断するものの、各経絡の虚実は脈診では判断しないということにしたのです。
とはいっても経絡を積極的に動かす手法は補者であり、経絡の虚実がわかっていなければ施すことができない。そのために証決定があるのであり、三点セットで実際に確認していける。さすがに十二経絡を一本の衛気の補法では調整しきれないので、側頸部へナソ処置を行うことで陽経から邪を払ってやる。道具の進化により確立できたことですが、この方法が一番協力で確実性もあると今回の学術大会とお医者さんに脈の変化をわかってもらえたことで、気持ちを強くできました。