長年苦しんできた剥離骨折

五年前に登山での下山中、強く足首をひねってから痛みがずっと取れなくなってしまった患者さん。最初は強い捻挫だと思っていただけでしたが、長く続くので整形外科にもしばらく通院したものの回復しません。
 捻挫は医学辞典や整形外科型の説明で異なっていることが多いものの、要するにジョイント部分への外力から靭帯や関節包が損傷していることを指していますが、関節の形状などには問題ないともされます。一方で剥離骨折は、強力な靭帯を切断させないように骨のほうが剥がれてダメージを最小限にしているものです。一見するだけでは見分けられません。
 骨折の診断は初期では腫れ上がり夜間痛がして、時間が経過しても遠くからの打診で響きがあります。この遠くからの打診での響きは、原始的ですが一番確実で小さなものでも見逃しません。特徴的な脈状は、療法の寸口が同時に強くなっています。
 剥離骨折でも骨折は骨折ですから、瀉法鍼での施術が必須になります。けれど初回から痛みが軽減できることがほとんどです。この場合は怪我から長時間経過しているので最初の二度くらいは効果らしいものが感じられないと説明しておいたところ、本日が四度目でしたが前回が終了したならいつの間にか平らな場所だと痛みを感じずに歩けるようになっていたことに感激されていました。
 捻挫と剥離骨折を区別せずに足首周囲の施術をするだけでは、このような結果は得られません。まして回復経過の説明が当たらないことになってしまいます。脈診さえあれば、骨折を簡単に見逃すことはないのにねぇ。