感電をした患者さん2

 高電圧での感電では、一番怖いのは内蔵がやけどを起こしてしまうことであり水分の多い心臓が危険です。落雷での死亡は、心臓麻痺がほとんどだそうです。
 奇跡的に内臓のやけどはなく一週間で職場復帰はできたのですけど、両側の上肢が正座をしたときのようなしびれた状態になり回復しないということでの来院です。もちろん触覚は極端に鈍くなっていますし、握力もあまり出ていません。冷たくもなっていました。
 数脈ですから陽経からの治療はすぐ選択できたのですけど、はてさて次をどのように考えていいのかがわかりません。心臓をターゲットには不整脈はあっても今は苦しくないのですからちょっと違いますし、邪論はもっと選択肢が多すぎて整理できません。
 そこで腹診を参考にしようとじっくり触ると、下腹部の力が抜けて心窩部は突き上がっています。「あっ、そうか」ということで、心腎不交の状態で腎経を使うのだとひらめき、剛柔の胃経でも陥谷を衛気の手法で行いました。

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