養成学校の状況を聞いて

 昨日の見学者から聞いた養成学校の在学者についての話を後からも考えていたのですけど、学校にもよるでしょうが30代や40代の一度社会人を経験してからの人生変更組ばかりというのは、鍼灸師が今後存在していく上で明るい状況とは思えないのです。
 私は先天障害者ですから小学校より盲学校へ通学し、そこへ中都失明のおじさんおばさんが職業訓練のために在学する姿もずっと見てきたのですけど、日常生活訓練と並行して勉学をするのですから卒業後はあんまを主体とせざるを得ないのであり、指先感覚からしても当然のこととは思います。決してあんまを馬鹿にしているのではなく需要のあるところへ適切に供給がなされれば、とてもいい職業です。
 しかし、晴眼者が自ら職業を変更しようというのですから己の力量と適性を考えているはずなのに、あまりに無謀な選択としか思えないのです。40代後半となれば自分の息子や娘と同じ年代と机を並べて実技もうけて、同じレベルで習得ができるかといえば絶対に無理です。
 その後に卒業と免許取得はできたとしても、臨床は数をこなさなければならないものであるのに就職先はなく、我流で開業しても技術が伸びるはずはありません。こんな状況がわかっていて学校は入学を勧めている、うーん、生徒も生徒ですが学校も学校です。そして業界の評判も落ちてしまう。なんとも情けない気持ちの年末になってきました。

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