漢方鍼医会の奇経治療10

 昨日の最後の患者さんです。二週間くらい前より右肩関節の動きが鈍くなり鈍痛がするのですけど、可動域は確保されていました。ところが昨日になって肩関節全体が重たくなっているということからの来院でした。
 この程度の症状であれば肩こりがきつくなりすぎているか首に元々の原因があるということで、証決定さえ正しくできれば特に難しいことはないのですけど、首を触診すると予想よりもはっきりした頸椎ヘルニアが触れます。鋭い痛みを発生しているものではないので、同じ鍼を用いての奇経治療のサンプルになってもらってかまわないだろうと試みました。
 後谿 - 申脈の組み合わせで主従は10と5を頭の中で秒数を数えてそれぞれに二木式ていしんの太い側を強く押さえないようにしながら押手は作らず単純に当てて、これを3セット繰り返しました。結果は頸椎ヘルニアを再び触診すると痛みの大半が消失しており、右腕の動きもすぐ改善されていたことに患者が驚嘆していました。これでていしんのみを用いての奇経治療が可能であると、私も確信が持てました。
 その後に本治法と標治法を行い再び触診して患者に疼と、さらにヘルニアの痛みは改善し腕の動きは何も感じないくらいにまで回復していました。奇経治療はあくまでも補助療法ですが、初学者や成績に苦労している人たちはこのようにして導入していくと、営業成績にも治療力アップにも役立てられるでしょう。

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