ストレスマックスから呼吸が浅くなっている

 新型コロナウィルスの騒動が始まってから、ストレスを蓄積しないようにというのは無理な話であり常にイライラしてしまうので肩こりが強くなりすぎて頭痛になっている患者さんが多くいることは、かなり以前から書き込んでいます。
 このような肩こりや頭痛は力技での発想では逆効果になってしまう危険性が高く、本治法をしてから相当な時間をそのまま休んでもらうことにより痛みが緩和している確認をすることがポイントだと思いますし、そのように臨床をしてきて正解だったでしょう。
 ところが肩こりから頭痛になるだけでなく、呼吸が浅くなってしまっているというケースが先週から急激に増えてきています。「イライラしてはいけない」と自分へ言い聞かせるあまり、息を潜めてしまうという感じでしょうか。
 これが困ったことに、症状がわかっていても治療の対象とは違うだろうと勝手に決めつけられて申告されないのであり、中には自覚さえしていないこともありました。「これは絶対に呼吸が浅すぎるぞ」というときに、こちらからやや強引に処置してみると「あれっ、こんなに息が吸いやすくなった」ということがありました。
 この患者さんで特徴的だった脉状は、六菽の高さで全てが渋っていました。六菽は心の高さであり、洪・散・大なら正常なのですが渋るというのは致命的に思えます。三菽も突っ張った感じの脉状なのですけど、この高さは全てで触れるというわけには行かないのであまり当てにせず六菽の全てで渋っているのに着目していたなら、なんと次から次へと呼吸の浅い患者さんが見つかるのです。そして「息が吸いにくいのでは?「という言葉遣いで問診すると100%の大当たりでした。
 ストレスマックスから心の動きが鈍り、その前に一番上に位置している肺も機能低下を起こしているのでこのような脉状となり、実際に呼吸が浅くなってしまっているのでしょう。確認は服の上からで構いませんから、中を押さえると強い痛みが感じられます。理論と実際はこれで納得です。
 治療ですが、本治法・標治法と一通り終わって最後の仕上げに中へ最新開発の奇経専用鍼を押さえつけないように5秒間くらい当てます。長すぎると不愉快になるので「こんな短時間で」と思われるでしょうけど、足りなければ足せばいいと言うつもりで試してみてください。
 奇経専用鍼があまりに便利なので様々なていしんでのテストをしていないのですけど、単純に垂直に当てて手技をしなければ効果は出るはずです。渋りの解消が目的なのですから、くれぐれも手技で解決しようとしないことがポイントになります。

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