今回の緑内障発作2

それで今回の緑内障発作に対する治療ですが、腹心では内臓下垂の状態がすぐ触れられますし口の乾きが数日前から気になっていたということで、時邪を応用した切り分けツールも併用しながら脈診すると脾虚が有力です。
ナソで選経・選穴も確認しながら脾虚陰虚証で左の陰陵泉を用いることにしました。衛気の補法を呼吸法も併用しながら行うと、頭の中のカウントで3のタイミングで手応えが来始めましたからここから抜鍼していくと、ちょうどのタイミングで経絡がすごい勢いで流れ始めるのがわかりました。
午前中の最後にはまた倦怠感が強くなっていたので弁当を食べてから二度目の自己治療なのですけど、今度はわざと長く5まで抜鍼を待ってみるとほとんど響きがありません。脈状そのものはある程度変化しているのですけど、評価しづらい状態です。それで目標カウントを3にして手応えが来始めたところで抜針すると、経絡がすごい勢いで流れ始めて脈状も満足できるものになりました。
やはり手法というものは山登りの頂点に達する唯一のタイミングで抜鍼すべきであり、それは手応えが来始めたところから動作に入ってちょうどだと再確認です。術者がしっかり手応えを感じることそれ自体は大切なのでしょうけど、治療効果が最大になることとは別問題であることに気づいていない人があまりに多いというのは、ていしん治療の難しいところです。