ものすごい数脈

午前中の新患さんは、脈を触った瞬間に「なんじゃこの数脈は!?」というくらい、この脈拍数で倦怠感がないのが不思議なくらいの状態です。しかも羸痩でもなく、ふっくらした女性らしい体型です。
驚くほどの数脈だと一番に連想されるのはバセドウ病なのですけど、これを見抜くのは私は得意技にしているくらいであり典型的な脈状とは少し違います。その次には極度に緊張しているケースですけど、これもちょっと違うような。さらに少し不整脈もあります。
どうにも脈状が把握できないので甲状腺を触診すると少し大きくなっており、こめかみの脂肪も落ちているので三大聴講からバセドウ病です。そこで患者さんにダイレクトに「脈拍がものすごく早いのを知っていますか?」と質問すると、子供の頃からずっとそうだということでした。それよりも母親がバセドウ病になったことはあるという話ですけど、その時の症状とは違う感じがしているとも。
ということで、この数脈を落ち着けないと正しい病態把握はできないと、まずはバセドウ病に準じた治療から入ることにしました。治療終了時には手足が暖かくなり、いい方向への変化が伺えます。