同時崩壊というシナリオの可能性も

ウクライナ側はまだ全面反抗には時間がかかると伏せているようですが、実際にはロシアが相当に押し戻されていて九ヶ月以上も一番激戦だった地区が突破目前のようです。ワグネル自体がメッセージを出しているのですから、あながち間違いではないでしょう。
一点突破ができたなら補給線を断ち切り、他の地域は単純ににらめっこだけをしていればいいのですから、その後はクリミア半島に集中して精神的ダメージを与えられたなら、もう勝敗は決定的でしょう。核兵器のおそれは最後まで残るものの、ここまで来たならロシア国内でのクーデターのほうが現実的にもなります。
それよりも不気味に感じているのが、10年前に大々的に花火を打ち上げて半数近くの国が参加表明をした中国の「一帯一路」が空中分解になりつつあること。記念式典も首脳会議も、未だに計画が発表されないのです。イタリアはすでに契約更新をしないと表明していますし、ウクライナも更新できるはずがありません。
スリランカの港湾施設が乗っ取られたことや香港での人権弾圧を見れば、契約更新をしない国がほとんどになるでしょう。ロシアと中国が同時に崩壊するシナリオ、恐ろしいですが現実になる可能性が出てきています。