足の骨折の苦い思い出

 三日前にスリッパのままで脚立に乗っていて滑ってしまい、左足をけがしたという患者さんが来院されました。松葉杖状態であり、奥様の付き添いが必要な状態です。
 足首から前方が腫れ上がっており、診察するまでもなく骨が折れています。どうも二カ所亀裂骨折があるようで、今日のところはだいたいの場所までしか特定することができなかったのですけど、休日診療所ではレントゲンでは何もなかったからと捻挫とされたそうです。そんなはず、ないやん!!
 足の骨折では過去に苦い思い出があります。当時近所に住んでいたおばあさんが縁側から落ちたのですけど治療室の中にまで響いてくるほどの大きな悲鳴であり、すぐ来院されたのですがまだ骨折の判定法を知らなかったので、自力で歩いてきたことから捻挫として治療を開始しました。下積み修行の頃に刺絡で著効があった経験から一番晴れている箇所より行ったのですけど、明くる日に来院されると「夕方から血がにじみ出してきて一晩続いた」ということです。痛みも腫れも回復しておらず、ひどくならないうちに病院へ行ってもらうと骨折でした。
 今なら瀉法鍼を使いながら平気で治療してしまうケースなのですけど、診断技術と対処法の二つを持っているから可能なのであり、瀉法鍼がなければ恐ろしいことです。

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