(追記あり)気胸の治療3

 先週から気胸を起こしている患者さんのちりょうをしているのですが、一度目の治療後には息が深く吸えるようになってきて咳き込む症状も少なくなり、二度目は手足がとても温かくなっていました。
 脈状は九菽から下側が触れないことで気胸を発見したのですけど、二度目の時には十二菽まで触れており、これで息が深く吸えるようになったことを診察できました。
 しかし、二度目以降にまた調子が悪くなっていて、咳き込む症状はほぼ消失したものの胸の痛みが際立ちます。それも以前より痛みが増悪しているといいます。脈状ではまた九菽から下側が触れなくなっているので息が吸いにくくなったことがわかると同時に、再び肺がしぼんでしまったということも推察できました。
 気胸は鍼灸治療と相性がいい症状で、通常は全身調整さえすれば勝手に肺が膨らんできますから特別なことはしません。ただ、なかなか膨らまなかったり痛みを伴う場合は局所に瀉法(瀉法鍼)を行います。補法ではないところがポイントです。これは外実内虚の状態になっているからです。本日の治療後には、また息が深く吸えるようになってもらえました。
追記
 当初、瀉法が必要な理由を「内実外虚」と表記してしまいました。やはり間違いが生じてしまいますので常に外を基準に行基すべきですね。ということで正しくは「外実内虚」であり、外へ瀉法を加えることで内の空虚を調整します。

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