選経・選穴

 証決定は本治法を行う鍼灸術の要も要であり、30年以上も臨床に携わっていますけど未だに迷うことばかりです。
 30年の間に治療法が大きく変化したのは東洋はり医学会から漢方鍼医会へ移動をして菽法脈診を取り入れたときと、病因を直接除去しようという邪気論での治療も入ってきたときでした。陰実証を分類すれば邪気論ですから二度目の変化は幅を一気に広げたということになるのですけど、それでも大きく治療の考え方は変わりました。
 ただ、幅が広がるのはいいのですが同時に「これでいいのか」という確認ツールがないと自信が揺らいでしまいます。選択肢が多いということは、それだけ揺らぎがより大きいということになります。
 そこへナソを応用した確認ツールが確立しつつあるのは、ますます便利になってきました。時邪をまず払うことが前提ですが、これは非常に簡単なことです。そしてナソの触り方も非常に簡単なことなので、慣れれば選経と選穴を一気に確認することができるようにもなりました。肺経で太淵を使ったり、七十五難でも太谿や陰谷を使う頻度が増えました。

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