漢方鍼医会での奇経治療25

 専用鍼を使えることと5秒程度のきわめて短時間で施術すべきということがわかったので、昨日は奇経治療をどのタイミングで用いればいいのかを何人かの患者さんでテストさせてもらいました。まずはタイミングを確定させないとどんな場面で奇経治療をすべきかが割り出せませんし、確定要素が多い方が研究は進みます。
 まず古典では一つの奇経を用いるところから始まっているので、普通に考えても本治法の前は効果判定もわからなければ本治法を妨害してしまうので違うでしょう。後の時代になって二つの奇経を組み合わせて用いれば救急法としての使い方ができるとわかって、大流行したのではないかと今の段階になると類推できるようになったので、今まで教わってきた方法もそれなら絡穴治療といじめを受けなくてもいいように感じてきました。
 では、本治法の直後。これは本治法のできが完全ではないと自分で認めるようなものですし、脈状をわざわざもう一度変化させてしまうのでこのタイミングは却下。
 次に標治法へ入る直前ですけど、これも本治法のできを自ら否定することになりますし標治法にも制限をかけるようなものですから、非効率的の見本なのでこのタイミングについても却下。
 それでは残りは標治法の後ということになるのですけど、お灸をしていると余韻が強いものですし直後は効果判定ができないのでこのタイミングも難しいでしょう。
 消去法で残ったのはナソ・ムノという優秀で簡便な補助療法があるのでこれらを先に行い、なおかつ「取れるべき症状」が残っていたなら試してみる。この方向だと感じました。一度仮の終了をしてその後に追加で行うというのが、一番効果判定のできるタイミングであり、実際に患者も治療科も「奇経で改善している」ことがわかります。
 実際に呼吸器喘息が非常によくなっていてステロイドも中止できていたのに、今回は何度か大きめの発作がありステロイドをそのときだけですけど用いたという患者さんの胸の熱を観察しながらいちいち試して、上のようにまとめられました。協力的な患者さんに感謝です。

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