漢方鍼医会での奇経治療29

 正月休み中に資料の読み込みはできなかったものの、本部から命ぜられた古典に忠実な奇経治療についていろいろと考えることはでき、本日にいくつか実践してみることができました。
 まず奇経を用いるタイミングについては喘息の患者さんで検証させてもらったとおり、治療の最終場面しかないと思われます。それも一度仮の終了をしてからの方が、患者側も効果が実感できるようです。
 適合できる奇経の判定については、肩井の堅さを調べておいて該当する経穴を強めに押さえると和らぐこと。これは標治法の直後に確認するとわかりやすい。ただ、今のところ問題として手の経穴の探り方が左右同時に反応を確認しなければならないので、若干不細工です。それとナソのさわり方についても変更をしてもらう必要があります。
 それで胎児が下がってきてしまい切迫早産になりかけていた妊婦さん、本人が産婦人科の女医さんなのでいろいろ試させてもらっていて、仮の終了をしてから任脈として右の列缺へ専用鍼を当てたとたん、胎児が大きく上がってきたそうです。この人には列缺に印をつけて、10円玉で自己治療ができるのかを確認してきてもらう約束をしました。
 一ヶ月間も咳き込む症状が取れずにどんどんひどくなって昨夜は眠れなかったという患者さん、胸に熱がこもっていたのは治療全体でよくわかったのですけど最後にこれも右の列缺へ専用鍼を当てると、「さらに楽になった」という感想でした。
 かなり運用方法についても慣れてきたのでありますが、狙いをかなり絞っておかないとうまく効果が引き出せないのが全体へ広めていくときの大きな課題です。

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