ナソ治療を再定義

昨日の自主勉強会から、ナソとムノについて大きな発見がありました。そして午前中に追試していると、そのとおりであったことにこちらが仰天。
ナソ治療というのは頚腕症候群に対して補助療法として用いることを提案されたものなのですけど、欠盆を中心に用いていたものから斜角筋のほうが手軽で範囲も大きくなると運用をシフトさせていました。
これとは別に本治法の直後に側頸部へ邪専用ていしんから邪を払うと飛躍的に脈状が改善するのですけど、前述の斜角筋とは別物として運用してきました。けれど自主勉強会で「邪専用ていしんを持っていない人へはていしんを逆さにして瀉的なやり方がどれくらい提供できるだろう」とやってみると、比較してしまうと不満はあるものの十分な効果だとは検証できました。
首は陽経のすべてが通過しており、本治法が終わっても陽経は邪を持ったままというケースが多いので邪専用ていしんが効果的なのであり、これを置き換えただけなのだが「ナソとは頑固な肩こりのために開発された補助療法」という原点に戻ると側頸部へのアプローチをナソと取らえても構わないのではというのが実技で革新されたのです。
それで標治法の最後にムノの前で斜角筋へアプローチしていたものを加えたり外したりで観察すると、外す(行わない)方がより脈状が伸びてきていました。思い込みとは恐ろしいもので、ナソ・ムノの両方を必ず行えば治療力が増強できると疑っていなかったのに、タイミングとアプローチはよりシビアでなければならないようです。
でも、わずかですが治療の手数を減らすことができ、そして脈状は今までより伸びているのがわかります。