腱鞘炎の治療、明後日の方向を向いて治療をしていても

先週から今週にかけて、手首や指の痛みを訴える患者さんが多いです。いわゆる「腱鞘炎なんです」と勝手に病名をつけて来院されるのは年中行事なのですけど、それにしても多いです。
原因のほとんどは肩甲骨周囲の硬結が強くなりすぎたものであり、それを証明するためにベッド上でタオルを絞ってもらいながら局所を強く圧迫すると瞬間的に痛みが消失するので、圧迫したときとしないときで比較をして納得してもらいます。
標治法で腹臥位になってもらったときにゾーン処置へ入る前に局所の瀉法鍼を行ってしまうのが一番効果的だと、この大量の症例の中で自身がつきました。
それにしても「どうして背中からで治るのか」という素人さんからの疑問であり、指や手首に湿布をして何故治らないのかと繰り返し質問を受けます。「それは明後日の方向を向きながらの治療だからですよ、せめて明日の方向なら少しは効果があっても明後日の方向では聞くはずがない」というのが、私の回答です。