もう一つ、奇経治療でも感嘆の声が

もう一つ、二木式奇経鍼を使っての思わず歓声が上がるほどの臨床例もありました。思い切り名前がついているとおり、奇経治療を研究する中で製作してきた鍼ですから、今回は奇経治療です。
四人目が妊娠七ヶ月という妊婦さん、三人目まで毎回切迫早産になりそうということで帝王切開してきたらしく、今回ももう下がってきています。妊娠には任脈が著効するとこれだけはちょっと自身があるので列缺を探るとしっかり反応があり、肩井の硬さも落ちます。
「では、鍼を当てた途端に変化をする可能性が大きいですからね」と前置きしてから二木式奇経鍼を列缺へ乗せると、瞬間的に胎児が上がってきてくれて、そこから妊婦さんは大騒ぎです。
奇経治療はもちろん、子午治療でも指で圧痛を探るだけでは不十分で鍼を使うことで劇的な効果となります。当たり前の話ですが気を通すための道具が鍼であり、経絡には深さがありますから目的の場所へ作用させるには指よりも鍼のほうがずっと優れているからです。