片手ずつ脉診

 私が最初に研修会へ参加させてもらったのは東洋はり医学会であり、比較脉診(脉差診)を標準とされていました。脉状診も唱えられていたのではありますけど、それは祖脉のレベルでした。
 さらに私の師匠の師匠は不問診ができた先生であり、その血統ですから弟子入りした時には脉診のことはほとんど教えてもらわず不問診を習得するようにいわれました。
 それですから脉診からのインスピレーションを得るためにも両手を一度に脉診することが私の診察のスタンダードであり、これはこれからも変わらないのではありますけど伝統鍼灸学会で聞いた「難経は片手ずつの脉診である」という言葉が忘れられなくなってしまいました。
 今朝も録音を聞き返しながら色々と考えて輪唱していたのですけど、両手一度の脉診と片手ずつの脉診、どちらも診察では欠かせないものだと実感してきました。

しかし、すぐ臨床に活用しています

 しかし、いくら残務整理が忙しかったとはいいながらも仕事は仕事であり、患者さんと向き合う時間についてはいつも通りです。
 脉診をする時にはいくつかの方法があり、いくつかの方法を使い分けるのがいいと思っていますし実践もしてきました。そして、現在の脉診の基本スタイルは「脉経」という古典で確立されたことは知っていたのですけど、実は「難経」での脉診は片手ずつだとは知りませんでした。
 片手ずつの脉診ももちろん今までしてきたのですが、両手を一度に脉診する方法が得意です。今日からは敢えて片手ずつで脉診する機会を増やしています。見えるものが少し違っていると感じたのは、ちょっと書きすぎ?

残務整理で大忙し

 昨夜に伝統鍼灸学会から帰宅しての第一報を書きましたが、土曜日の仕事を休んでいたことと伝統鍼灸学会関連で連絡をせねばならないメールがあまりに大量で大忙しです。
 それから今データの整理をしておかねばどうにもならない資料も持ち帰ってきていましたので、午後の仕事の隙間はほとんどその作業でした。
 主催者のせいではないのですけど、会場の多目的ホールの可動式座席は座っているとおしりがとても痛くなり、まだ痛みの余韻が残ってもいます。

伝統鍼灸学会から帰宅しました

 今、第38回日本伝統鍼灸学会福岡大会から帰宅したところです。台風の影響はなかったものの、今日の方が大雨で帰宅が大変でしたね。
 毎年勉強になる学術大会なので個人的には楽しみに積極的に参加してきたのですけど、今回は漢方鍼医会として伝統鍼灸学会への関わり方をどのようにしていこうかと快調・副会長がそろい踏みで参加されており、立場がちょっと違っていました。
 それから初めて全体の懇親会へも参加したのですけど、有名な先生からまだ初心者レベルの人まで色々とお話しできたこと、とても刺激になりました。
 詳しいことは分割して「院長ブログ」の方で詳述していきますけど、前段階のまとめも含めてこちらでも特報は掲載していきます。とりあえず今夜は、おやすみなさい。

台風でやきもき

 明日から博多で開催される伝統鍼灸学会へ参加することになっているのですけど、台風の接近で昨日から天気予報に一喜一憂です。
 とりあえず近畿地方への直撃はなさそうですし新幹線も動くでしょうから、参加できるだろうと一安心ですけど。それから博多の夜を楽しむことも。
 経絡を積極的に動かすことを目的とした研修会が集まって組織している伝統鍼灸学会であり、私は毎年参加をしていい刺激をもらっています。自分の所属する研修会がもちろん一番だと信じて頑張っていますけど、自己満足だけではいけませんから。

トイレのドアは、どこでもドア?

 来院されたことのある方はおわかりでしょうし、「鍼灸院見学ツアー」からも様子は分かっていただけるのですが、「にき鍼灸院」のトイレは洋式と和式の二つが用意されているだけでなく待合室と治療室のどちらからでも入れるようになっています。
 二回目の来院となったおじいさんなのですけど、待合室からトイレに入ったはずなのに出てきたのが治療室でビックリ!ドラえもんの「どこでもドア」に遭遇したような感じで、待合室に荷物を忘れたままに。
 ところがところが、このおじいさんと待合室で随分と話し込んでおられた健康管理で数年も来院されている方、この特徴的なトイレの構造を知らなかったといいますからまた爆笑に。

昨日の建具の修理

 昨日の午後に治療室と待合室のドアを自動的に閉まるように建具の修理をしてもらったのですけど、新しいユニットに取り替えてもらっても力が弱すぎてドアが最後まで閉まりません。
 建具屋さんもメーカーに問い合わせたりと色々してくれたのですが、今までのユニットの方がむしろまだ閉まります。不具合のある商品に交換しても仕方ないと元のユニットを装着し治してもらったなら、あらら強すぎるくらいにドアが閉まります。
 結局のところ着替えで綿埃がレール部分にも飛んできており、これをローラーが巻き込んでブレーキを掛けていたということらしいです。このドア、外しての掃除がしにくいんだけど。

ぎっくり腰の治療

 ぎっくり腰の患者さんは、それこそ年間ではどれくらい来院されているのか見当も着かないほどの数になります。その逆のこともありますけど診断は左がしまって細く右が開いているという脉状だけでもできるくらいです。もちろん症状だけで鑑別できるケースがほとんどですが。
 治療のポイントとしては背筋が正常な弾力を残している部分と、緊張している部分の境目を外さないことです。これは知熱灸や円皮鍼だけでなく、標治法全般に言えることです。
 今日の患者さんはトラック運転手をされているのですけど、素人が見ても明らかなぎっくり腰なのに医者ではレントゲンで腰椎ヘルニアを指摘されたとのことで、患者さんの身体へ触れて診察をしないとこんな間違いも発生させてしまうものかと、笑っていいのか呆れたというのか。

電子カルテの威力!?

 先日インターネットで読んだ記事では、お医者さんのわずか9%だけが転勤先にも電子カルテが必須と答えていたそうで、逆に7%は電子カルテのない職場を希望していました。70%強はどちらでもという感じで、まだまだ過渡期であるようです。
 「にき鍼灸院」では八年前から全面的に電子カルテとしているのですけど、様々な場面で今さら戻れないというのが実際です。
 午前中に来院された農家の患者さん、30kgのお米を朝からお弁当屋さんへ届けた時にぎっくり腰が発生してしまったのですけど、過去のカルテを参照したなら二年前に30kgのお米の四つ目を運んでいる時にぎっくり腰とありました。「また二年後の来院で済めばいいのですけど」と言い残して帰宅されました。

四十九難で劇的に回復した患者さん

 夏前から来院されている背部や特に上肢で服がこすれるだけでも強い違和感が発生する患者さんなのですけど、症状は十五年くらい前から持続しているとのことです。
 痛みも伴っていた初期では七十五難の肺虚肝実証や脾虚肝実証などで治療をし、痛みは取れたのですけど違和感だけは頑固に持続していました。特に猛暑では汗をかくので、余計につらかったとのことです。
 思い切って四十九難として脾経の泰斗へ営気の手法のみとしたところ、軽く標治法はしますけど劇的な回復ペースとなってきました。今日などは「あれは一体何だったのだろう」というくらい、会話はプロ野球の話しかしていないのでありました。

せっかく急いで戻ってきたのに

 患者さんへ運動不足を指摘するだけでは説得力がないので自らもスポーツをしていることは以前にも書いたのですけど、うちの子供はまだ小さいので仕事が終わってから夜にじっくりというわけには行きません。
 それで昼休みにスポーツプラザへ出かけていたのですけど、午前中に待合室と治療室を区切るドアを自動的に閉める建具が経年で最後まで閉まらなくなっており、材料が届いたので昼休みに作業したいとの連絡がありましたから急いで戻ろうとしました。
 そうしたならスポーツプラザの入っている建物も改装工事中であり、雨に濡れていた階段を下りていると足場を示すパイ論で滑ってしまい、足場に左の額を打ち付けてしまいました。先週の次男の傷とは反対側で、親子で何をしているやら。
 それでも流血を押して出来る限り早くに戻ってきたのに、業者が聞いていた昼休みの時間帯が違っていたとかで今日の作業は中止に。一時間くらいの作業、もっと早くに来れば何も問題はなかったはずなのに。
 ちょっと愚痴でしたね。

昨日の亀裂骨折の患者さん

 昨日に来院された腸骨が亀裂骨折していた女子高生ですけど、昨夜は予言通り久しぶりに熟睡できたとのことです。
 まだ自発痛は残るものの程度も軽くなっており、手足がものすごく冷えていたものが暖かくなって気持ちいいとのことでした。可哀想に親にはかなりの症状を我慢して伝えていなかったようです。
 さて骨折の治療なのですが本治法が第一で、標治法は瀉法鍼を患部へ行います。血を強制的に動かす瀉法鍼ですから数には気を付けなければならないのですけど、今は緊急状態なのでかなりを打ち込みました。

他の患者さんには聞かれたくない問診

 プライバシーに深く関わったり病状が深刻だったり、他の患者さんには聞かれたくない問診や会話というものもあります。
 昨日に電話であらかじめ概略は伝えておいてもらった午前中の患者さんなのですけど、カーテンで仕切ったベッド空間では了解はされているもののできれば秘密にしておきたかったでしょう。
 そんな時には冬場の保温が主な目的でそうしてはあるのですけど治療室が二つに区切れるようになっているので、ベッドの回し方を工夫し個室にして対処をしていました。

骨折の脉

 両方の寸口が強いと、これは骨折の脉です。診断率100%の絶対的に自信のある脉状です。
 年間に10例くらいは亀裂骨折を知らずに来院される患者さんがおられるのですけど、今日の新患さんも女子高生なのですが三週間前にあぐらの姿勢になった時からの腰の激痛が全く回復しないとのことであり、脉状を確認したので少し遠くから打診をするとやはり患部へ響きがあります。
 骨折の一番迅速で確実な診断法は、少し遠くから打診すると患部へ響きがあることで、他には夜間痛で眠れなかったり体重が加わると痛みが増悪するなどです。治療については、また別の機会に書きます。

更年期障害の患者さん

 更年期障害の治療で一番難しいのは、いつ頃に集中して治療をするかということです。
 その患者さんごとに症状も状態も違うのですが、やっかいなことにどれくらいの期間に渡って偏重が続くのかが予測できません。
 初期状態の頃から定期的に治療をしていても、まるで治療家が笑われているかのように予想もしない場面から新たな症状が必ずでてくるもので、最後のピークを迎えるまでは「しんどい時だけ来院されたならいいですよ」ということにしています。
 夕方の患者さんですけど二年くらい前に数回更年期障害での治療をしていますが、今回は症状が治まる前に次の症状がでてくるようになっているので最後のピークと判断し、継続治療することにしました。

あぁ原稿が

 昨日の午後に集中して再編集をしていた「脉診の実際1」の原稿なのですけど、子供たちが戻ってくるまでに90%は仕上げられて朝には全て見直しもできました。
 鍼灸院へやってきてファイルが正常に保存されていることも確認し、午前中は急ぎのメールの方を仕事をしながら処理していました。
 そして午後にオリジナルの加筆を1000文字程度追加する予定だったのですけど、予約状況が変化し集中しながら執筆することができなくなってしまいました。また完成が伸びてしまい、いつ再提出で着るやら。

子守がなくても、やっぱり仕事

 先ほどのエントリーでは水曜日は午前中のみの診療だと書きましたけど、午後はどうしているかといえばほとんどは子守です。我が子のことですから当然であり、奥さん孝行の意味でもありますね。
 ところが、幼稚園の友達同士で出かけるので「今日の午後はフリーで構わない」と今朝になっていわれたものですから、昼食は助手と一緒に海鮮丼を食べに行きました。そう、抜歯の前でビールが飲めなかったリペンジです。
 それで帰宅後なのですけど、学会誌に提供する資料の見直し作業が集中した時間で必要だったのでこれに当てています。アホになって遊べませんね。

小児鍼が連続で

 水曜日は午前中のみの診療なので患者さん側にとっては余裕が足りないという印象なのか小児鍼の来院は少ないのが通常です。
 しかし、気温の変化が激しく胃腸風邪の子供が多いようで、今日の午前中は連続での来院でした。そういえば、うちの一番下の子供も昨夜は少し咳き込んでいましたね。
 ここで活躍してくれたのが、小児鍼専用ベッドです。お取り寄せ商品でのトラブルなども処理しながらの仕事だったのでスケジュールが前後しがちだったのですけど、専用ベッドのおかげで乗り切れました。

やっぱり歯は大切

 このブログ「臨床雑感あれこれ」が始まって間もなくに、前歯が折れていて歯医者で抜歯してもらってから借歯を装着してすぐビデオ撮影を続行したことを書いてあります。記事はアーカイブから読めます。
 おかげさまで先週に正式なブリッジを装着してもらえて治療は終了しているのですけど、今はまだ口の中がもう少しきつい状態です。
 借歯の時にはもちろんバランスが悪いので「どうしてこんなに」というくらい日課である水泳がしんどくて泳げなくなってしまったのですけど、水泳でも歯を食いしばっているのでブリッジがまだ安定していませんからまた今日もしんどくてあまり泳げる状態ではありませんでした。皆様も、歯は大切に。

四十九難で治療した時の呼び名は?

 四十九難ありきでの治療を研修していた時に、「営気の手法をするのだから五臓のいずれかが実になっているということなので実証で呼称するの?」と疑問が投げかけられました。
 私は春から追試しているのですけど、カルテには「脾虚証」とか「腎虚証」などと記載してきました。細かなことは記憶にないのですけど、瀉血をしても目的は補うことであり作用としても補法になっているということでそのようにしたと思います。
 つまり、どこかの経絡に邪が取り付いてしまったために循環が阻害されて病症が発生しているのであり、施すのは営気の手法であっても陽実証のような激しい熱がでているのではないのですから「虚証」という呼称でいいのではないかと、改めて思っています。

昨日の指導者研修会

 滋賀漢方鍼医会では17:00までの例会後に、出来る限りその後一時間半程度の指導者研修会も行っています。
 文字通り新たな指導者育成のために実技指導のリーダーを若手や初心者に任せて経験を積んでもらっているのですけど、例会の中では冒険で取り上げにくいトライアルの実技も行うことがあります。昨日はトライアルを実施してきました。
 四十九難での治療ありきで診察と実際に鍼もしたのですけど、バッチリはまった時の効果は驚くべきものがありました。反面で、井目穴か栄火穴へ営気の手法一本ですから手早く効果も確実に出せるものの強引な治療ではベストに遠いだけでなくベターな評価も与えにくかったですね、やっぱり。

新患さんが集中して

 「にき鍼灸院」では一度も来院されたことのない方のみを新患さんとして扱っているのですけど、今日の午後には五人連続での新患さんでタイムテーブルが守れるように診察をコンパクトにすることに必死でした。
 新患さんは昨日も書いたように話をしっかり聞いてあげねばならないのですけど、その中には無駄話も必要なのですけど贅肉をそぎ落としながらは問診が難しい。
 ところで年間では300以上の新患さんが平均してはあるのですけど、今年は400前後になりそうです。
 紹介する側は「ていしん」での治療も意識しておられますが紹介される側は鍼灸へ対する恐怖心しかないのに、この不況の中での数字は世間一般での治療が患者ニーズを満たしていないケースが多いからだと書けば、書きすぎでしょうか?

患者さんの訴えは、どこまで聞く?

 患者さんへ問診をする時、特に初診では話をしっかり聞いてあげねばなりません。病院ではまともに問診されず、人間不信になっている患者さんも多いものです。
 ところが患者さんの訴えは必ずしも正しいとは限りません。大げさな患者さん、遠慮して他の愁訴は申告しない患者さん、虚偽の申告をする患者さんetc。特にここ関西では、ズケズケ根性の強者おばちゃんもいますし。
 午前中の患者さんは医者からもらった薬の副作用に「半身麻痺が発生するかも知れない」と書いてあったそうですが、それは怪しいですよね。その話をそっくり院長に伝えてくる助手。
 いつも「情報はねじ曲げてはいけないが、情報は整理しなさい」と繰り返しているのに、これでは言葉に振り回されて本当の治療にはたどり着けません。

オーストラリアで夏期研開催!?

 ちょっと先走って記事を書いてしまいますけど、漢方鍼医会の二十周年は第二十回夏期研と同時だと思っていたなら夏期研が一階だけスキップしている年がありまして、つまり今年が第十七回夏期研でしたけど漢方鍼医会としては十八年目になります。
 それで第二十回夏期研に二十周年記念行事では強引すぎますから、今後のことも考えて無理に数字は合わせないことになりました。これは決定です。
 そうしたならオーストラリアから毎年参加してもらっている二人の先生に話が飛んで、オーストラリアでセミナーを開催しようではないか!と盛り上がって先ほどスカイプ会議が終了したところです。
 是非とも実現させたいですね。

揉みすぎて炎症を起こした患者さん

 年に数例は来院されるのですが、「ちょっと痛みがあるから」と安易に家庭用マッサージ器で揉んで気持ちがいいからと長時間やり続けていたなら、ひどい痛みになってしまったという患者さんです。
 これは自分で炎症を引き起こしてしまったのであり、発生してしまった熱を除去せねばなりません。しかし、強制排除という都合のいい方法はないので遠隔部へ熱を導くような標治法がポイントとなります。一番やっかいなのはプロのマッサージ師が揉んでしまったもので、炎症の度合いが強すぎて転げ回るほどの痛みになっていることもあります。
 今日の患者さんは昨日に来院されたのですけど、痛みはほとんど消失して鈍痛程度になっていましたが、熱が内部までこもっているので微熱状態であり全身倦怠が残っていました。