USスチールの買収禁止という、変な政治判断

 年始早々に、日米経済界を揺るがせる事件が勃発しています。政治判断によるものと言いながら、実態を無視した中国を喜ばせるだけの、大失態でしょう。
 日鉄によるUSスチールの買収は、USスチールの経営陣や組合員に株主まで両手を上げての賛成なのに、地域の組合組織が反対をして大統領選挙中の宣伝にも使われて、バイデン大統領が最終判断で阻止を表明しました。一説には買収先が中国メーカーだと、認知機能の衰えで判断できなかったのかもという話も。
 USスチールはこのままだと倒産するしかないのであり、完全子会社にならないと技術の中核部分の開示はできないというのがわかっているのにです。ここまで会社同士が合意していて最高条件なのに、政治が介入しての阻止では日米同盟を揺るがすだけでなく、対アメリカ投資にどの国も手を出さなくなってしまいます。繰り返しますが当事者同士はwinwinのハッピーモードなのにです。
 これと全く同じことが、まだ書類上ですが日本でも起きています。北陸新幹線のオバマルートなど採算が取れないだけでなく、京都の地下トンネルがどれほど困難なことか、30年以上前の地下鉄工事でわかりきっているのに政治の話だけ。米原で「こだま」の半分を切り離して北陸へ直接乗り入れるパターンにすればいいのであり、10番線を新設して逆パターンも。名古屋からはどうしても乗り換えが必要ですが、需要がそこまで大きいのであれば名古屋-金沢のパターンも設定可能だと思います。